信頼の解放:なぜグローバルコンプライアンスが経営課題となっているのか
この調査と関連研究『Unlocking trust: why global compliance is on the business agenda』では、コンプライアンスが適切に実施されることで、投資家の信頼を高め、顧客・クライアントとの信頼関係を築き、外部からの企業評価を向上させることが示されています。単なるチェック項目ではなく、グローバルコンプライアンスは新たな機会の源泉なのです。
明確な責任意識
25か国のシニアコンプライアンス担当者890名からの回答により、経営層がグローバルコンプライアンスに対して明確な責任意識を持ち、投資に対するリターンを期待していることが明らかになりました。
また、コンプライアンスがますます管理困難になっているという認識も示されています。これは、法規制の複雑化、急速な変化、そしてCOVID-19の長期的影響によるものです。こうした変化に対応するため、経営層はテクノロジーへの投資やチームのスキル強化を計画しています。
主な調査結果
- グローバルコンプライアンスの適切な実施は、ステークホルダーの信頼と安心感を高める: 58%が、コンプライアンスを「信頼・安心感・企業評判の向上という価値を創出する機会」として捉えています。
- 今後、コンプライアンス要件の遵守はより困難になると予測されている:82%が現在の要件を満たしており、今後も対応できると自信を持っていますが、51%は今後5年間でコンプライアンスがより困難になると予測しています。主な課題は「急速に変化する法規制」「複雑性の増加」「COVID-19の影響」であり、「ブレグジット」は最も低い課題とされています。
- 将来に備え、テクノロジーと人材への投資が進められている:27%が、今後5年間でグローバルコンプライアンスに対する財務・人的リソースを「大幅に増加させる」計画です。
「グローバルコンプライアンスは、長年にわたり健全なビジネス運営の礎とされてきましたが、依然として一部では、価値創出の機会ではなく、単なる義務として捉えられています。だからこそ、私たちは経営層がグローバルコンプライアンスにどう取り組んでいるのか、どれだけ注力しているのか、どのようなリターンやリスクを想定しているのか、そして投資の重点領域を明らかにすることにしました。」
「企業への監視がかつてないほど厳しくなっている中で、多くの経営層がコンプライアンスに対する財務・人的リソースの増加を計画しているという調査結果は、健全なビジネスの実現を望むすべての人にとって安心材料となるでしょう。」
— Erick Gillier(パートナー兼グローバルアウトソーシング責任者、Forvis Mazars)
『Unlocking trust: why global compliance is on the business agenda』では、グローバルコンプライアンスが生み出す機会、今後の課題、税務の透明性がコンプライアンスの縮図として果たす役割、そして経営層が将来に向けてどのような準備をしているかなどについて詳しく紹介しています。
