ベトナムにおけるビジネス

ベトナムのビジネス環境についてご紹介します。

事業体の設立

ベトナムで企業を設立しようとする外国投資家が利用できる主な法的形態は、有限責任会社(LLC)および株式会社(JSC)です。

事業設立および実施される投資プロジェクトは、投資法および企業法により規律されます。ベトナムで正式に事業を開始するには、外国投資企業は所管当局が発行する2種類の証明書を取得する必要があります(業種によっては追加のライセンスが必要となる場合があります。例:トレーディング活動にはトレーディングライセンスが必要)。

  • 実施するプロジェクトに対する投資登録証明書
  • 設立する企業に対する企業登録証明書

代替案として、外国投資家は市場参入の初期段階として、ベトナムに駐在員事務所を設立することも検討できます。駐在員事務所は、設置予定の市または省の工業貿易局に登録書類を提出し、許可を取得することで設立されます。駐在員事務所に認められるのは連絡業務および市場開拓機能のみであり、ベトナム国内での事業活動を行うことはできません。

 

外国企業に対する規制

外国投資家は、禁止されていないすべての分野・産業に投資することができます。一般に、禁止分野・産業とは、国民、環境、防衛、またはベトナムの歴史・文化に有害な分野を指します。条件付き分野・産業におけるプロジェクトに課される条件は、関連する法律、布告、政令、国際条約に定められます。

 

投資優遇

事業の種類および/または投資場所に応じて、外国投資家は以下の投資・税制優遇を享受できる場合があります。

  • 法人所得税の最大4年間の免税(事業の種類および投資場所により異なる)
  • 一定条件に応じた、最長9年間の法人所得税の50%軽減
  • 一定条件のもと、所定年数にわたり10%または17%の優遇法人税率の適用
  • 特定の場合における、輸入固定資産・資材等の輸入関税の免税
  • 地代、土地使用料、土地使用税の免除または軽減

 

就労許可とビザ

ベトナムで就労する外国人は、免除要件に該当する場合(例:3か月未満の短期就労で、ベトナム国内のベトナム人または外国人専門家では対応できない、事業や生産に影響する複雑な技術的問題への対応やサービス提供を行う場合など)を除き、就労許可証の取得が必要です。ベトナムに派遣されプロジェクトを実施する外国人従業員にも就労許可証が必要です(ただし、一定条件の下で外国人専門家に就労許可の免除が認められる場合がある政府開発援助(ODA)案件は除く)。

就労許可証の有効期間は雇用契約の期間とされますが、更新前の最長は2年です。

就労許可証および通常のビザに加えて、必要に応じてビジネスビザおよび一時滞在カードの取得が求められる場合があります。長期滞在を可能にする一時滞在カードは最長2年間有効で、更新が可能です。また、複数回の出入国が認められます。

 

税務

付加価値税(VAT)

ベトナムでは、ほとんどの財・サービスにVATが課されます。一般に、標準税率は10%です。特別な場合には、VATが免税されるか、基礎的物品に対しては5%、輸出向け財・サービスに対しては0%が適用されます。企業はVATコードの取得のため、税務当局への登録が必要です。

法人所得税(CIT)

ベトナム国内の企業利益に対して課されます。標準税率は20%です。奨励事業や特定地域に関する一定の条件を満たす投資プロジェクトには税制優遇が提供されます。CITは四半期ごとに概算計算・納付を行い(四半期申告は不要)、期末から90日以内に年度確定申告を行います。生じた欠損金は、定められた順序に従い同一企業内の他の事業の所得と相殺でき、連続5年間繰り越し可能です。四半期の欠損は同会計年度の次の四半期へ繰り越すこともできます。欠損金の繰戻しは認められていません。

源泉徴収税(WT)

源泉徴収税は、VATとCIT(または個人所得税)の組合せで、ベトナムの企業が海外の供給者(法人・個人)から特定の物品・サービスを購入する際の支払に課されます。WTの申告方法は、以下の3種類に区分されます。

  • 源泉徴収方式(法令上は「直接方式」とも称される)
  • ハイブリッド方式
  • ベトナム会計制度(VAS)方式(法令上は「申告方式」とも称される)

個人所得税(PIT)

個人が受け取る課税所得に課され、最も一般的なのは給与所得です。

一般に、PITの納税義務者は従業員本人ですが、ベトナム所在の組織が雇用主である場合には、源泉徴収または一時納付の義務がまず雇用主に課されます(それ以外の場合、納税申告は従業員本人が行います)。従業員にグロス(税引前)で支払う場合、雇用主は支払前に源泉徴収を行い、国へ納付します。ネット(手取り)で支払う場合、雇用主は手取り額をグロスアップし、適用PITを計算して税務当局へ納付します。

PITの課税関係は複数の要素により決まりますが、主に当該課税年度におけるベトナムでの居住者区分に基づいて判断されます。

 

会計・監査

VAS(ベトナム会計基準)は、ベトナムのすべての企業に対して必須です。

VASの適用について、当局への登録義務はありません。ただし、VASからの逸脱が認められる場合には、財務省(MOF)からの書面による承認が必要です。

事業年度は通常1月1日に開始し12月31日に終了しますが、3月31日、6月30日、9月30日を期末とすることも可能です。初年度は、投資証明書の発行日から当該事業年度末までとするのが一般的です。初年度が90日未満の場合、翌年度に合算することができます。

企業は、関連する資格または学位を有する主任会計士(Chief Accountant)を雇用する必要があります。ベトナム進出企業の多くは、主任会計士の職務を担える有資格の会計事務所に会計業務をアウトソースしています。外国投資企業は、年次財務諸表について独立監査法人を任命し監査を受けなければなりません。

企業は、事業年度末から90日以内に、年次財務諸表(必要に応じて監査済み)を税務当局、許認可当局、その他の関係当局に報告目的で提出しなければなりません。

 

ベトナム特有の留意点

  • 企業は主任会計士の雇用が義務づけられています。
  • 名義株式の保有は法的に認められていません。
  • 登記上の本店所在地は実際のオフィス住所である必要があり、私書箱や弁護士事務所の住所は認められません。
  • 法令は頻繁に改正・変更され、プライベート・ルーリング(個別見解)は法的拘束力を持たない場合があります。
  • ベトナムでは著作権法の保護が比較的弱いとされています。

 

ベトナムでのビジネスに関するサポート内容について、詳しくは Forvis Mazars Vietnam をご覧ください。

コンタクト